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作品紹介・初演と再演の比較
『太平洋序曲〜Pacific 0vertures〜』

このページでは、新国立劇場小劇場で
2000
年10月2日〜22日(初演)と2002年10月11日〜31日(再演)
上演された舞台を比較をしながら、この作品を紹介しています。

初演時 再演の変更点
舞台は江戸時代末期。
江戸時代という太平の世は、はっきりとした身分制度と米を中心とした経済で成り立っていた。そして、「鎖国令」がその太平をしっかりと堅持していたと言えよう。
しかし、時代は動いていた・・・

ある日、ジョン万次郎という若者が外国から入国した鎖国破りの罪で捕らえられた。
万次郎は、取調べの際、「アメリカが開国を迫りに日本へやってくる」という噂があることを、老中達に伝える。

老中達は驚き、浦賀奉行所の与力香山弥左衛門を呼び出す。香山は目付役に昇進するが、それと引き換えに、アメリカがやってきた時の交渉を全て任せられたのだった。

香山の昇進を喜んだ妻たまてだが、アメリカとの交渉の件を知り、愕然とする。「アメリカは来ないかもしれない。」という二人の願いを打ち砕く、黒船の汽笛。たまては気丈に香山を見送るが、すぐに自害してしまう。

香山の昇進を喜んだ妻たまてだが、アメリカとの交渉の件を知り、愕然とする。「アメリカは来ないかもしれない。」という二人の願いを打ち砕く、黒船の汽笛。たまては気丈に香山を見送る。
黒船が来航した浦賀では、騒ぎに乗じて盗みをする者、こんなときでも金儲けしか考えない商人、戦おうとする武士などで、大混乱となっていた。

香山は「開国できない。」必死にアメリカ司令官達と交渉するが、交渉に行き詰まってしまう。香山は、アメリカ帰りの万次郎の助けを借りることを老中達に提案する。
万次郎を上役にしたて、再度アメリカと交渉する香山であるが、将軍がアメリカ大統領からの手紙を受け取る儀式を行うまでに、たった6日間の猶予しかもらえない。儀式を行わなければ、攻撃を受けることとなる。
江戸城は上へ下への大騒ぎとなる。
香山は「開国できない。」必死にアメリカ司令官達と交渉するが、交渉に行き詰まってしまう。香山は、アメリカ帰りの万次郎の助けを借りることを老中達に提案する。
万次郎を上役にしたて、再度アメリカと交渉する香山であるが、将軍がアメリカ大統領からの手紙を受け取る儀式を行うまでに、たった6日間の猶予しかもらえない。儀式を行わなければ、攻撃を受けることとなる。

江戸城は上へ下への大騒ぎ。その騒ぎを聞いたたまては夫香山が務めに失敗したと思い自害してしまう。
将軍は、態度を決めかねていた。将軍の母は、将軍を暗殺することによって、太平の世を守る事が出来ると考え、将軍を菊の花茶で暗殺してしまう。

香山万次郎は、アメリカ大統領の手紙を受け取らないわけにはいかないと考え、入江が狭い神奈川に畳を敷き詰め、アメリカ交渉団を上陸させ、交渉が済んだ後、全てを焼き払う事で、手紙は受け取るが、鎖国は守るという奇策を提案する。老中達は、この奇策を受け入れる。
そして、この功績に免じて万次郎の鎖国破りの罪を許す。

神奈川に異国人が来ると聞き、女郎の女将は一儲けしようと考える。町人はしたたかだ。
武士の中にも、アメリカに日本の気概を見せようとするものもあるが、失敗する。

香山万次郎の立てた奇策通り、アメリカ交渉団は無事帰国し、日本の鎖国政策は守られるに見えたが・・・

朝廷は、鎖国政策がなお守られたと考えていた。死守した阿部を将軍に取りたて、香山を浦賀奉行に昇進させ、万次郎には武士の身分を与えた。

しかし、列強は日本の開国を再度迫った。そして、アメリカに続いて、イギリス、オランダ、ロシア、そしてフランスがやってきた。武力をちらつかせながらの交渉に折れ、ついに通商条約を結び、日本は鎖国政策を捨てざるをえなくなった。

朝廷は、ようやく開国を受け入れたが、幕府の権威は失墜して行った。大名の中には、積極的に開国をし、天皇中心の国家にしていこうという動きを見せ始めるものが現れていたのだ。

香山は、浦賀奉行として、外国人との接触が多くなって行った。その中で、否応無しに西洋文化の傾倒して行かなければならなくなっていた。これに対し、アメリカの文化、広くは西洋文化を理解していたはずの万次郎は、開国した日本の中で、日本文化の在り方を見つめなおしていたのである。

西洋人がなだれ込んだ浦賀では、いろいろな問題が起こっていた。
ある時、イギリスの3人の水兵が日本人の少女に言い寄っていた。少女はおびえ、悲鳴を上げる。武士であった父親は、問答無用とばかりに水兵を殺傷してしまう。

このような事件が、どんどん起っていた。
この英水兵殺傷事件では、イギリスは賠償だけではなく、天皇の謝罪の書を要求していた。将軍阿部香山は、その書を天皇に書いてもらうため、東海道を京都へ向かっていた。
途中、雨宿りをした時である。刺客が二人を襲った。
香山はその中に、万次郎の姿を見て驚き、怒る。かつて、気持ちを一つにして困難を乗り越えてきたのに、時の流れは二人を敵対させたのだ。そして、ついに香山万次郎に刺されてしまう。

江戸時代末、開国をした日本。明治維新、戦争の時代、敗戦と時は流れ、今、日本は快く外国の文物を迎い入れている。そして、何かに向かって、走りつづけている。何かに向かって!

 
〜幕〜